サッカーのプレーに関する基本解説
小学生を指導するにあたり、「なぜこのようにプレーをするのか」「なぜこのように考えるのか」なぜ、なぜ、なぜ・・・と理由を伝える必要性を毎週毎週痛感しています。
子供たちはひじょうに素直な分、“目的・意味”を理解することで、そのプレーの飲み込みのスピードがまったく異なるのです。また、熱心なお父さんコーチや後援会の皆様からもサッカーのプレーの具体的な内容理解をしたいというご要望を受け、私自身が分かる範囲で書面にできそうなサッカーのプレーについて解説を記させていただきます。
私自身サッカーの技術やプレーヤーとしてはあまり優秀ではありません。かなり私見の入った内容かもしれません。またサッカーというスポーツのプレーを言葉にするのはひじょうに難しいことでが、この解説内容をキッカケにして子供たちがサッカーのプレーに対する理解度が増し上達のための足がかりになれば、指導者の皆様の指導検討の一助になれば幸いです。(内容は本当に自信がない部分もありますが、その点は皆様からご意見・ご指摘お願いいたします)
2007年6月26日 廣瀬 洋平
目次
・ボールを正しく蹴れるための基本動作について
・ボールをトラップするということについて
・シュートは積極的且つ丁寧に!
・周りを見る、首を振る
・声を出せ
・ボールが動いたら人も動く
・なんでサイド攻撃?
・ボールを逆サイドにサイドチェンジの有効性
・楔(くさび)にボールを入れる・打ち込む・当てる
・ディフェンスのときのマークについて
・一発でディフェンスに行くな!
・サイドに追い込む
・ディフェンスの押し上げ
・スローインについて
・ゴールキックについて
ボールを正しく蹴れるための基本動作について
サッカーボールを正しく蹴るためのキックの基本動作は共通です。
□ 助走はボールに対して斜めに入らずまっすぐ入ること
□ 軸足はボールの真横に、軸足のつま先はしっかりと蹴る方向に向けること
□ 蹴り足はボールの真ん中を、蹴り足の中心で捉えること
□ 視線はボールから離さないこと
□ 蹴り足をまっすぐ振りぬくこと
※インステップはつま先を伸ばし、足首~甲を固めて蹴り足膝下を“バット”にするイメージ
※サイドキックはつま先を上げて、足首~甲を固めて蹴り足膝下を“トンカチ”にイメージ
これらのキックの基本動作ができるようになれば、まっすぐのボールが少しずつ蹴れるようになります。
この基本動作を身につけてしまえば、体が大きくなって体重が増え、筋力がつけば自然とボールは飛ぶようになります。また、これらの基本動作を覚えてまっすぐのボールが蹴れれば、曲げたりするボールはいつでも出来るようになります。(曲げるボールしか蹴れないと、それしか蹴れなくなるぞ!)
正しい蹴り方にちょっと変化をつけるとインフロントやアウトサイドなど色々蹴れるようになります。
(例えば、体の傾斜、軸足の位置、ボールの蹴る場所、蹴り足の角度)
ボールをしっかり蹴れる人、出したいところに正確に蹴れると格好いいですよね!サッカーはまずボールが蹴れないと始まりませんが、キックが上手になるためには個人の練習量しかありません。頑張って家の近くの壁に向かって練習しよう!
ボールをトラップするということについて
サッカーにおいてトラップは重要な技術の一つです。ボールが蹴れることと等しいくらい重要なことと考えましょう。「トラップ」とはただボールを止めることではありません。トラップとは“自分のところに来たボールを、自分が行いたい次のプレーをする最適な位置にすばやくボールを置くこと”です。
次のプレーが・・・
□ 右足で蹴るのか、左足で蹴るのか
□ それがパスなのか、シュートなのか
□ ドリブルをするのか
と正しいトラップはこれらの次のプレーがし易い位置にボールを置けることがポイントです。
トラップを正確に行うためには・・・
□ ボールの来る方向に対して、足だけでなく体の真正面で受け入れること
□ 足先でなく膝下をやわらかくしてボールの真ん中を受けること
このことを頭に入れて、パス練習のときのトラップも大事にして練習をしてみよう!
シュートは積極的且つ丁寧に!
ゴール前では積極的にシュートを狙おう!当たり前ですがシュートをしない限りゴールはありません。オーバーヘッドキックであろうと、敵に当たって入ろうが、ゴールにボールが入れば1点は1点です。ゴール前でシュートをせずにパスを
選択してしまうことがありませんか?基本は相手のペナルティ付近まで迫ったら、第一の選択肢は「シュート」です。
このことは絶対に忘れないでください。
シュートをするために・・・
□ 敵がどこにいるのか?
□ どちらの足でシュートを打つのか?
□ どこでボールを受けるのか、どこにトラップやドリブルをしてシュートをするのか?
よく周りを見て、できるだけこれらのことを考えるようにしましょう。
そして、シュートを打つときに“GKの位置”をしっかり見ましょう。レベルが上がれば上がるほど、むやみに強いシュートを打っても点は入りません。GKの位置を見て、GKが取りにくいところをしっかり狙うよう心がけよう!
周りを見る、首を振る
なんでコーチは「首を振れ!周りを見ろ!」と言うのでしょうか?
周りを見るということで以下のようなことを知りたいからです。
□「ゴール」するために最適なことは何なのか、今相手ゴールへの近道は何か?
□ ボールが来たら次にどうすることが最善なのか?シュート?パス?ドリブル?
□ どこのスペースが狙えて、自分達にとってどこのスペースが危険か?
□ 敵はどこにいるのか、味方はどこにいるのか?
□ 自分のポジショニングは正しいか、味方のポジショニングは正しいか?
何もかもは最初は難しいので、まずは“自分の次の動きを決めるため”に周りを見てみよう!
もしボールが来たら・・・
□ トラップするのか、ダイレクトでプレーをするのか?
□ ダイレクトでシュートをするのか、トラップしてシュートをするのか、ゴールのどこにシュートするのか?
□ ダイレクトでパスをするのか、トラップしてパスをするのか、どこにパスを出すのがいいのか?
□ ドリブルをするのか、どこにドリブルをするのか?
そして周りを見た数秒後にはまた状況はすぐ変わっています。
とにかく“常に周りを見て状況を把握すること”はサッカーにとってとても大事なことです。
日頃の練習で「周りを見る、首を振る」クセがつくようにしてみよう!
まずはボールが出たとき、フリーキックのとき、笛が鳴ったら周りを見るクセから始めよう!
声を出せ
「声を出せ」って何のため?
□ 敵がどこにいるのか、マークは誰がつくのか?
□ どこにスペースが空いていて危険なのか?
□ 敵が、味方がどこにいるのか?
□ どこにスペースが空いていてチャンスなのか?
□ パスをどこに欲しいのか?
声を出して11人が“分かっていることや見えていること”を味方に教えるために声を出しましょう!サッカーは常に敵がいます。みんなが中田英寿のように周りが見えればいいですが、いずみキッカーズにそんな子供はいないですよね。もっともっと声を出すことで、『みんなの“声”が“味方の目”』になるように声を出さないといけません。
また、試合中はどうしても疲れてきたり、負けていたりすると、気持ちが折れてしまい、だんだん走れなくなったりします。そのようなときに味方どうしで「一点取ろう!」「まだ諦めないぞ!」みんなで盛り上げて、チームとして集中力を保つ声もすごく重要なことです。いきなり試合で声が出るものではありません。日頃のパス練習、ボール回し、ミニゲームで間違えてもいいからどんどん声を出そう!
ボールが動いたら人も動く
相手チームが強くなればなるほど、相手ディフェンスのマークも厳しくなってきます。そんな相手に動かないでいてもボールを取りに潰されるだけです。人がまったく動かかないで、ボールだけ動いてゴールすることはできません。人が動いて、ボールも動くから相手は自分たちやボールを捕まえることができなくなるのです。人が動くことでスペースが次々と生まれてくるのです。
□ 空いているスペースに人が動こう。
※人が動くことで“空いているスペース”も生まれます
□ パスを出したらそれで終わりではなく、次もらえる位置に動こう
※前後・左右に2歩、3歩動くだけでも違います
□ ボールが動いたら、常にその分動こう
※ボールが相手ゴールに近づいたら、自陣ゴールに近づいたら、サイドから逆サイドへ動いたら、その分ポジションを動かそう
なんでサイド攻撃?
なんでサイド攻撃が有効なのでしょうか?
自分達が守備をしているときを想像してみよう。
相手チームに真ん中から突っ込まれてもそんなに怖くないよね。何故だろう?
・真ん中には人が多くいるから、複数でボールにプレッシャーを与えることができるから
・GKやDFはゴールを背にして正面に立ってDFができる(敵とボールに集中できる)
サイドから攻められた場合を想像するとどうだろう?
サイドは真ん中に比べると人数は少ないです。サイドのディフェンダーが抜かれたら、真ん中にいる仲間はサイドにフォローに行かなければいけないので、どうしても自分達の真ん中は手薄になってしまいます。
その状態でサイドからクロスを入れられたときに真ん中のディフェンダーが見るべき箇所は・・・、
「1.サイドからのボール」「2.それに飛び込む敵FWや危険なスペース」「3.自分達の守るべきゴール」と、見なければいけないことが3箇所もあることがイメージできるでしょうか。この3箇所を自分達が見切れずにサイドからのボールが相手に渡ると点が入り易くなるのです。
そして、サイドからの攻撃を基本に繰り返していると、相手チームはサイドを警戒するためディフェンスがワイドに広がります。そうすると中央にもスペースが生まれ、真ん中からも崩すことができるチャンスが生まれてくるのです。
ボールを逆サイドにサイドチェンジの有効性
「サイドを変えろ!」ってよく聞くね。どういう意味だろう?
サッカーというスポーツは「スペースの取り合い」のスポーツとも言えます。
今まで述べてきた中にもあるように、いかに“空いているスペースに人とボールが動くこと”が重要かは分かってきたかと思いますが、スペースを生む有効な方法の一つで「ボールのあるサイドの逆のスペースにボールを動かす」ことは重要なことです。
そのためのキーのポジションはボランチ。ボランチは常にボールのあるサイドとその反対サイドを確認して、ボールが来た方向と逆方向にボールを繋ぐ意識を持とう。そうすると相手は左右に振られて、至る所にスペースが生まれてきます。
当然、このことを行うためにはボールのあるサイドとその反対のサイドバックやサイドハーフはボランチがボールを受ける前に意識して動けていないといけません。
楔(くさび)にボールを入れる・打ち込む・当てる
「楔にボールを入れろ!」などとよく言います。
ディフェンス陣やボランチが前線のFWや中盤に縦のボールを足元に入れることを「楔にボールを入れる」と言います。
攻撃の際に保持しているマイボールは相手ゴールに近づけたいですね。横パスばかりが続いていてもボールは前には進みませんし、裏へのロングボールばかりでも跳ね返されるだけで、なかなかボールは相手ゴールに近づきません。横パスなどを続ける中で、スッと楔のパスが入ることはひじょうに重要なことです。楔を受けるプレーヤーは敵と敵の間にポジションを取りボールを受け、そこから前を向いたり、自ら、またはボールをもう一度落としてサイドに展開させたりします。楔を入れる・受けるということは攻撃の重要なアクセントとなり、且つ有効なプレーとなることを覚えましょう!
ディフェンスのときのマークについて
ディフェンスのマークする際に“自分の位置(ポジション)”をよく分かっていない子が目立ちます。
マークの際のポジションの基本的な考え方は以下です。
□ 体の向き:
自分の後頭部・背中・お尻が自分達の守るべきゴール方向に向け、視野の中にボールとマークする相手がいること
□ ポジション:
敵と自分達のゴールを結んだ線上で
且つ
・自陣で自分のマークの近くにボールがあるときは、体を寄せてプレッシャーを与えられる位置(マークする相手にボールが入ったら前を向けないようにする距離)
・攻めているとき、または自陣で遠い位置にボールがあるときは、数歩空けて、近くにボールが来たらすぐに近づける位置
サッカーは攻めているときも常に相手チームのマークすべき相手を見ておき、適正な位置にポジションを取っておく必要があります。(敵にボールが渡ったときにすばやくディフェンスモードになれる位置)
まずは、マークする際にどこに自分の体があればよいのかを考えてみて、試合で実践してみよう!
(体の向き、マークする人とのポジショニング・距離)
ただし、上記のことはあくまで基本的なマークのことを記しています。試合でマークだけをしていればよいということではありません。例えば、サイドバックは時には自分のマークを捨てて、サイドを駆け上がり攻撃に参加することも求められます。センターバックもマークを捨てて、危険な相手の中盤にボールが入ったところを潰しにいく必要もありますし、オーバーラップも必要になります。これらのことは判断が難しいけど、個々の選手に求められ、まわりの仲間との連携にも関わります。これらの場面やタイミングは少しずつ教えていくので、少しずつ覚えていこう!
一発でディフェンスに行くな!
よくコーチからボールを取りに行くときに「一発で行くな!」と言われるかと思います。
どういう意味か分かるかな?
一対一のとき、マークにボールが入ったときに勢いよく相手・ボールに突っ込んで、ボールを奪いにいくことを「一発で行く」とよく言います。
ディフェンダーが一発で行って、ボールを奪えれば◎、100点です。
でも仮に、一発で行ってボールを奪えなければ×、-200点大赤点です。
× のときはディフェンダーにとっては致命的なミスを犯したということです。
なぜ一発で行くことがよくないことなのでしょうか?
(駄目ではないのです。100%取れる自信がある相手やそのタイミングであればそれがベストです)
その人が一発で行って、クルっとかわされた場合、敵はその人より自分達のゴールに即近づいたことになります。当然ですがゴールに近ければ近いほどシュートを打たれる可能性は上がってしまいます。自分のゴールに近ければ近いほど「一発で行く」ことは危険になってしまいます。
一発でボールを取りに行かずに、
プレッシャーを与え、相手に前を向かせずに敵の攻撃を遅らせることができたら、前を向かれて一対一になっても、一対一の間合いを取ってワンサイドカットで外に追いやったりできたら、ボールを守るべきゴールから遠ざけ、自分の間合いにしてからボールを取ったり、相手を遅らせて味方が戻ってきてくれて、自分または味方がボールを奪うことができれば、ディフェンスとしては○になるのです。
サイドに追い込む
ディフェンスの際にサイドにボールを追い込むことはひじょうに重要です。なぜサイドにボールを追いやるのか?
単純に言うと守るべきゴールからボールを遠ざけるということです。
またサイドにボールを追いやるとディフェンス陣は守りやすくなります。
サイドにボール保持者を追い込むと当然ですが、四方八方にボールを動かすことはできません。タッチラインやゴールラインなどがあるからです。ラインの方角にボールを動かせなくなるということはボールの行方を限定できるということです。サイドに追い込むことでのディフェンスのメリットは大きく以下の3つが挙げられます。
・ボール保持者のドリブル、パスの方向を限定させる/角度を狭くする
・味方のディフェンスがボール保持者の次のプレーが読みやすい
・相手選手のフォローする人数を減らすことができる
ディフェンスの際はボールをサイドに追いやる意識を持ってみよう!
ディフェンスの押し上げ
よくコーチから「押し上げろ!」と言われるかと思います。どういう意味か分かるでしょうか?
単純に解説をすると、自分達のゴールよりも敵のゴールに近い場所でプレーをするために「押し上げ」を行います。ボールが自分達のゴールに近いと危険な可能性が高いし、相手のゴールに近い方がゴールできる可能性は高くなります。ディフェンスラインが押し上げて、中盤、FWが前に押しやられてポジションを取ることで“全体を相手ゴールに近くする”ためです。
「オフサイドを取るため」とは勘違いしないでください。目的はオフサイドを取ることではありません。“結果としてオフサイドが取れてしまう”ことはありますが、それが目的ではないことを理解してください。
また、押し上げるということは「チームとして全体をコンパクトに」ということと密接に関わる行動です。押し上げないでいると、広大なフィールドに味方11名・相手11名が広がります。そこには各所にスペースが生まれてしまいます。
押し上げて、全体をコンパクトにして、適正な位置に味方がいることで、攻めるときも、相手ボールになって守るときも、素早くボールに関わることができ、ディフェンスもオフェンスもしやすくなります。
押し上げはディフェンス最終ラインのディフェンスリーダーとGKが周りに大きく声をかけて指示しよう。
□ 最終ラインでディフェンスリーダーよりも低い位置に残ってしまう人がいないこと
□ 中盤やFWを適正な位置にポジショングさせること、その指示をすること
このことをみんなで指示できるように押し上げてみよう!
スローインについて
GK以外で唯一手を使ってプレーできるのがスローインです。みんなが苦労している足でプレーする必要がないのです。スローインをもっと大事にしましょう。
遠くに投げなきゃいけないのがスローインだと思っていないかな?小学生でよく見かけるのはスローインした後、そのボールが相手ボールになることです。これは勿体無いよね?せっかく手で投げられるのだから・・・
・スローインって誰が投げるの?
スローインの位置によるけど、基本はサイドバックであり、サイドバックがマークする敵がいる場合は、サイドハーフの人になります。センターバックやボランチが投げるということは有り得ません!
センターバックが投げてボールを取られて攻めてこられたら、真ん中は誰が守るの?
ボランチが投げたら、誰が中盤でパスを回すの?
FWが投げたら誰がゴールに向かうの?
スローインが始まるのはタッチラインです。サイドのライン=タッチラインから始まるボールをスローインするのは当然ですが、サイドのポジションの人になります。
・スローインってどこに投げるの?
相手のゴール前にセンターリングのようなボールを投げることができれば一番いいけれど、そんなにボール投げられる人はそうそういないよね。スローインの後にボールが相手に渡らず、パスやドリブルで自分達のボールになりやすいところに渡しましょう。近くの人に投げればいいのです。
□ ボールは外に出ているんだから、ボールを拾いに行きながら誰がいいかを探そう。回りを見ながら誰に投げるかを考えながらスローインの準備に入ろう。
□ 相手は味方の名前は知らないんだから「○○君、投げるよ」って声かけてあげれば、受けるその人も準備しやすいのではないかな?
□ そのスローインを受ける人が処理しやすいボールを出してあげましょう。胸でトラップするより腿や足元の方がトラップしやすいよね?であれば、そこに投げてあげましょう。
□ 投げた人がもう一度ダイレクトでボールを返してもらったら、次につなげ易くないかな?スローインする人はたいがいマークされることはきないからその人はフリーのことが多いです。スローインをもらったら投げた人に返す。そこからボールをつなげるとよいのでないでしょうか。
せっかくボールが出て、マイボールで、フリーで、手が使えるのがスローインです。
投げる人もフィールドの人もよく周りを見てやってみよう!
ゴールキックについて
スローイン同様、ゴールキックも一度ボールが出た状態で、キッカーがフリーでボールを蹴れるプレーです。守備陣がしっかり守って、ボールがゴールラインを割って、やっと守りに一段落ついて「さぁ、これから攻めるぞ!」という大事なプレーの始まりです。ゴールキックが攻撃のパスの一本目!ゴールキックをもっと大事にしていきましょう!
・ゴールキックって誰が蹴るの?
基本はGKがボールを蹴ります。Jリーグも高校サッカーもGKが蹴るよね?
このゴールキックから攻撃が始まるのだから、残りのフィールドプレーヤーは自分のポジションについて、GKがボールを蹴るのが一番いいのは分かりますね?でも、小学生のうちはGKにキック力がなければディフェンスの人間でキックをできる子が蹴ればよいと思います。ただ、その場合のキッカーはキックした後にすぐに自分のポジションにつかなければいけません!ダラダラ歩いていたら押し上げにつながらないぞ!
・ゴールキックってどこに蹴るの?
相手のゴール前にゴールキックが蹴れて、それをFWがシュートできれば一番いいけど、そんなにボールも蹴れないし、相手もディフェンダーがいるから難しいですね。大人はフリーのディフェンダーに回してゆっくり繋いでボールを組み立て(ビルドアップ)ながら回していくけど、小学生ではそれも少し難しいですね。
□ 真ん中は敵のマークもディフェンスも集中しているので、ゴールキックは真ん中ではなくサイド方向に蹴ろう。その際、ボールを受けるFWと中盤は同サイド方向にしっかり集まってあげましょう。そして、“ボールに競る”“こぼれ玉を拾う”その準備をしっかり行いましょう。
□ 準備が整ったらまずキッカーはどこに蹴るのかしっかり探そう。周りを見ながら誰に蹴ろうか考えながらキックの準備に入りましょう。
□ 相手は味方の名前は知らないチームが多いはず。「○○君、いくよ」ってキッカーが声をかけてあげれば、受けるその人も準備しやすいのではないでしょうか?失敗してもいいので味方の名前を呼びましょう。